ディオがジョースター家にやってきたその日から
ジョナサンの生活は一変してしまいます。
ディオはジョナサンと仲良くするつもりなんかさらさらないし、
むしろ精神的にとことん追い詰めてやろうとしている位なので、まぁ態度がひどいです。
でも、ジョースター卿に対しては表向きは従順に振舞っているし、
ジョナサンも父親が受け入れる体制を取っている相手を無下にも出来ずに
ひたすら耐える日々。
よく耐えたよジョナサン・・・(涙)
ディオは生まれは貧困だけれど、頭が良い(ディオの父親もお前は頭が良いと言っていたし)ので勉強も出来て、作法も完璧。
ジョナサンは貴族の生まれで、本人的にも紳士であろうとしているけど
天真爛漫な普通の男の子でもあるので
何かとディオと比べられて立場はないし
ジョースター卿は実の息子だからこそ、立派な人間であって欲しいという親心からやたらとジョナサンに厳しくします。
ジョースター卿は
恩義を大事にし、他者に対し寛容でどこまでも優しく
本当に貴族の鏡というか、立派な人です。
ただきっと、自分自身には厳しい人なんでしょうし、
息子にも
愛情があるからこそ、どこに出しても恥ずかしくないようにあえて厳しくしているであろう事は重々分かるのですが
皮肉な事にそれが裏目に出てしまっている感じです・・・。
私もこんな風に比べられたらものすごく嫌だなー・・・
他者への寛容さ、優しさをこの時のジョナサンに向けてあげて欲しかった・・・と思わずにはいられません。
ディオは学力面でも運動面でもジョナサンより一枚上手という感じで
周りに気付かれないように嫌がらせをされたり、根も葉もない悪口を言いふらされたり、
ジョースター卿から厳しく接されたり
ほとんどの人がこのあまりに理不尽な状況に陥ったら
どんどんネガティブになってしまうんじゃないかと思います。
気にしないようにするという事が不可能な状況ですからね。
でも、ちょっと救いなのは
もちろんジョナサンもものすごく落ち込んで孤独に打ちひしがれているんですが
このマンガの独特の言い回しというか
ちょっとコミカルな感じが、悲壮感を少し緩和している感じがして、
ジョナサンも少し能天気な一面もあったりして
変に闇落ちしすぎずにいるのが、いいです。
ただ、ディオはメチャメチャ嫌な奴だけど
貧困家庭に生まれても、それに言い訳するわけでなくしっかりと学力をつけ、作法も身に着け、しかも貧民街仕込みのボクシング技術まで持っていて
きっと、貧困家庭に生まれたからといってけして人から見下されたくなんかないという
良くも悪くも強い思いがあり、
ディオ自身ものすごく努力したんだと思います。
あんな父親の元、家でゆっくり勉強出来るような環境でもないと思いますし・・・
だからこそ、たまたま貴族の元に生まれたというだけの理由で
何もかも与えられ何不自由なく育てられたジョナサンに対して憎しみを感じるのかもしれません。
せめて、ディオの母親が生きていたらまた少しは違ったかもしれませんが、
母親も亡くなっていますしね。
母親がどんな人だったかは分かりませんが、マジメで優しそうな人な気がします。
母親からの唯一の愛情さえも失ったディオが、母親は同じく失っているけれど
父親からの愛情を一心に受け、何もかも持っているジョナサンの事を特に良く思わないのも、仕方ないのかもしれません。
もう、親が悪い。父親が。
もし、ディオの父親がまともな人だったら、
ディオもここまでハングリー精神に火がついてないだろうし、どんな人物になっていたんだろうと、また取り留めのない事を考えてしまいます。
改めて家庭環境の影響って、大きいんだなぁ。